ノンフィクションライター川﨑利江子
本と旅と着物、花と樹木と、そして真実の美を求めて…。女性誌を中心に美容、着物、人物インタビューなど幅広く執筆。現在、月刊『VOCE』(講談社)にてコスメを科学的&客観的に考察する企画「実験VOCE」を連載中。
 

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2008年6月12日 (木)

その美しい人が選んだもの

今日、電車で目の前の席に、美しい女の人が座っていました。

銀色の刺繍がほどこされたエレガントな黒いセーターを着ています。

ゆるやかなカールが色白の肌を引き立てています。

その美しさに似合わない、ドラッグストアの黄色いビニール袋を手にぶら下げていました。

歩くたびにクシャクシャと音がなるビニールです。

そのアンバランスさに何が入ってるのだろう?と思って見てみると、

 

汗脇パットの箱が入っていました。2つも。

ああ、この美しい女性は汗をいっぱいかくんですね、

汗脇パットがないといけないくらい脇の下から汗をかくんですね。

本当に?

彼女はこれから家に戻って、お気に入りの服にはすべて汗脇パットをつけるのでしょう。

センスのよいセーターにも、白いシャツにも、ジャケットにも、カットソーにも。

ちくちくちくちく。あ、いえ、見たことがないのでわかりませんが、

縫いつけなくても、両面テープか何かでとめられるようになっているのでしょう、多分。

汗が出るなら出るままに、そういう生き方をこの女性はしないのですね。

脇がもぞもぞしているとせっかくの素敵な服も台無しになるようで、私は好きではありません。

夏はどうしても気になるときもありますが、ストールをはおって、汗がひくのを待ったり、

家に戻ったら、服を脱いですぐその日のうちに洗えばいいし、

ジャケットならクリーニングに出せばいい。

それよりも、

この美しい人は汗脇パットをつけることを人生で選択しているのです。

 

あなたが買うものは、あなたが選ぶ人生を象徴しているものです。

あなたの身のまわりにあるものは、あなたの歩いていく人生そのものです。

だから、本当に欲しいものだけを買わなくてはいけないし、

本当に欲しい人だけを選ばなくてはならないと思います。

 

 

 

805241250000 恥じらいの白バラ。

 

 

 

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